スイスで退職する者の定め

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スイス・ドイツでは、誕生日の人が自分で誕生日ケーキを焼いてもってくる習慣があるのは有名ですが、退職に際しても、スイスでは退職する人が幹事となって送別会を催すのが通常の流れなのです。ドイツ語だとAbschiedsapéro(通称アペロ)なんて言ったりするみたいですが、普通にバイバイだけでは済まないのがスイスなんです。

しかも、誰のアペロがどうだったとか後々まで語り継がれ、本人の会社への貢献度とは関係なく、最終評価が決まるなんとも恐ろしい儀式なのです。ポテチだけ出した場合とかもうブーブーですよ。仕事での評価が悪くてもアペロが良ければ全て良し感も否めません。

僕の場合は「退職」ではなく「サバティカル休職」として一時的にいなくなるだけなので、ケーキだけ焼いてもってくれば良いかなぁーなんて甘く考えていたのですが、上司からのプレッシャーが凄い、ちゃんとしたアペロなしでは絶対に離さないぞ的な。1か月前くらいから上司がソワソワしだして、特に何もアクションを起こしていなかったらアペロ用ケータリングのメニューをそっと僕の机の上に置いていく始末・・・ これはさすがにまずいかなぁと思い、アペロしました。

アペロの備忘録です。

1.日程を決める

呼ぶ人全員の日程をあわせてたらきりがないので、上司と直近の同僚は僕が退職する当日でOKだったので退職の当日にしました。
次の問題となるのは、時間帯。だいちあランチ前派とティータイム派に分かれるのですが、同僚のアドバイスによりティータイムに決定。
場所は、うちの会社だと会議室か休憩室化ですが、なんとなく会議室に。会議室でやるとフォーマル感が出てしまうので当日になって休憩室にしときゃよかったなと後悔。

退職日の15時から会社の会議室でやることにしました

2. 人を選ぶ

お世話になって人を選べば良いんですが、呼ばれただ呼ばれなかっただでまた後々揉めるんですよ。結局、自分のチーム、自分のプロジェクトチーム、隣のチーム、上司遡ること3レイヤーとその秘書たちを呼びました。何人か呼び忘れたのを後に発覚するも後付で対処。

20-30人くらいくるだろうとの予測を立てました。

3.メニューのどこで差別化するか考える

最近会社が大きく動き、退職者も多く、ゆえにアペロも多い。アペロ激戦区なんです。なので、他の同僚との差別化もまた問題。
単純に立つ鳥跡を濁さないだけなら、とにかくボリューム重視でお金で解決すれば良いのですが、これから貧乏学生になるのでお金はなるべくセーブしつつ、ネガティブにならない程度な印象を残したいと思い、知恵を絞って差別化しました。

差別化1:お寿司

社内唯一の日本人ということで、お寿司+アジアテイストなメニューをセレクト。
とりあえずお寿司だしときゃ、とりあえず印象に残るだろーということでお寿司。

しかしながら、お寿司って実は評価が分かれてリスキーな気もしたので・・・

差別化2:シャンパン

うちの会社のアペロはアルコールOKなのですが、うちの会社だと1ボトル10EURのプロセッコとか出す人がほとーんどなので、もうワンランク上のにしたら多少印象良くなるに違いないということでシャンパン。

4. お財布と相談

正直20-30人のアペロなんて、やったこともなければ予算の立てようもなく・・・結局、えいやで選んだ以下のメニューを。

ケータリング:200CHF(24,000円くらい)
MigrosとかManorとかもアペロ用ケータリングやってるみたいですが、めんどくさいので会社の食堂業者に依頼。
1ピース2-3CHFのを11品目、それぞれ7ピースづつ頼んで合計200CHF。ひとり2-3個食べる計算。

お寿司:100CHF(12,000円くらい)
食堂業者のケータリングでもお寿司やってたのですが、お寿司を食堂業者に任せるわけにはいかんと、町の日本食にお寿司のデリバリーを依頼。3人前100CHFなり。

日本のお菓子:20EUR (3000円くらい)
ドイツの日本食材通販で、ハッピーターンとか栗饅頭とかゲット。

シャンパン他飲み物:250CHF (実質150CHF) (30,000円くらい)
シャンパンは普通のボトル5本買ったのですが、結局3本開けました。と、いうより今度のIMDの飲み会で使うべく残りの2本は死守しました。
他、定番オレンジジュース2L、定番コーラ3L、麒麟ビール3Lを買いました

合計500CHF(6万円)くらい使いました。6万って聞くと、たかがアペロに大金使ったなぁ感はあるのですが、現地通貨の500CHFって、決して安くはないけど「スイスだったら普通なのかなー」と自分を騙せる上限の金額ですね。通貨マジックで心を落ち着かせる。

5. 結果

僕のアペロはこんな感じになりました。25人くらい参加してシャンパンは3本開けて、ビールは4本、食事はほとんど残りませんでした。15時って微妙な時間なので、普通のアペロならかなり残り物が出る印象だったので、お寿司とか残ったら夜ご飯に食べられるかなぁ程度に考えていたのですが、完売。もしかしたら若干量は少なかったのかなぁとも思うのですが、まあ、アペロだし、これくらいで丁度いいのかなぁと。オーバーオール日本人の評判を下げない程度のアペロはできたと思います。

また、お寿司の評判が想像以上に良かったので3人前じゃなくて5人前くらいにしといても良かったかなぁと思いました。しかしながら、フィードバックナンバーワンは「シャンパンが良かった!」でした。結局僕の小ネタの日本のお菓子とか、その他こだわりのアジアティッシュとかは全部シャンパンにかき消されてました。(でも、ハッピーターンはみんな美味しいっていってました。)結局、食事の味なんて、どうせわかんないですもんね。とりあえず最低限の評価を獲得するアペロをするのであれば、お酒のグレードを会社標準より挙げておけば良いんじゃないかというTipsでした。

APERO-TABLE

コメント

  1. 斉藤香菜 より:

    突然のコメントで申し訳ございません。
    フジテレビの朝の情報番組「とくダネ!」を担当しております
    斉藤香菜と申します。

    お世話になります。
    この度、私どもは2015年1月5日(月)放送予定で
    「元旦にアップされた映像」という内容で企画を進めております。

    スイスで生活されているのを土肥さんのブログを拝見し、
    突然で大変恐縮ですがご連絡差し上げました。

    今年はスイスで年越しされる予定でしょうか。
    ネットで花火を打ち上げたり、年越しのお菓子があると見たのですが、
    実際はいかがでしょうか。 

    また場合によっては、携帯動画レベルで構わないので撮影は可能でしょうか。
    一般の方々をターゲットにリサーチしており、ご協力をいただけないかと思います。

    メッセージを読んでいただけましたら、
    kana.saito@with1.fujitv.co.jpまでご連絡いただけないでしょうか。

    お忙しいところ、急なご相談で大変恐縮ではございますが
    ご協力いただけると幸いです。

    何卒、宜しくお願い申し上げます。

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