INSEADとIMDどちらを選ぶか2

MBA受験

 

「人の話は最後まで聞け」というマナーは、世界の非常識だった

という記事を読んで、むかし書いた「INSEADとIMDどちらを選ぶか」というこのブログのポストのことを思い出した。この「人の話は・・」の記事はどうやらINSEADの卒業生たち(複数形)によって書かれたもののようだ。

 

良い記事で「そうそう!」とIMD生活を懐かしむこともあれば、「なるほど、そうだよな!」と今のスイス生活を振り返ることも多かった。INSEADerはこういう考え方をすると一般化していいものか、書いた卒業生たちの独自の解釈が強いのかわからないが、極端なIMDとの比較としておもしろいなと思ったので超久しぶりに筆をとる。

 

とりあえず、本文良い記事なので一読をおすすめするが、忙しい人のために、見出しを引用させていただくと、

  1. 日本流のやり方は一切通用しない
  2. 何がいけなかったのか
  3. 間違ってもいい、とにかく言い切れ!
  4. 割り込んででも会話に参加する
  5. 日本人の悪いクセ
  6. 失敗を恐れず、前に出よう

引用元: http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52293

 

とある。見出しだけ読むとアグレッシブなテイストがでているが、中身は実にまろやかでトゲはないが心に刺さるいい文章である。ともかく口調はどうであれ、グローバルな環境に身を置こうとと思うなら、

 

己を知れ
そして、コミュニケーションの仕方をグローバルに合わろ

 

といった内容の記事である。これ自体はその通りである。MBAでは最初にぶつかる壁であり、そして最後まで乗り越えられない壁である。またその後のキャリアもしかりである。

冒頭に書いたこれってINSEAD流の解釈なのかなと疑問に思ったのは、「日本流のやり方は一切通用しない」「日本人の悪いクセ」としている点である。IMDでの1年通じて僕が悟ったことと比べると、おもしろい。

極論言って変にあおるのもどうかと思うのだが、あえて、この記事にある「間違ってもいい、とにかく言い切れ!」を実践してみると、僕は以下のように文章を流す。

 

海外で働くうえで、
INSEADerはLiability(ネガティブなもの)と捉えるようだが、
IMDerは日本人であることをAsset(ポジティブなもの)と考える。

 

IMDでは、いわずと知れているが、かなりの時間を個人で、またアナリストと「Self Awareness」に割く。クラスで学ぶものではなく、クラス・グループワークもサポートしつつの、パーソナライズされたプロセスである:

・まず自分を知ること
・さらに自分を知ること
・他人・他人の考え方を知ること
・自分じゃないやり方をしてみること
・そして自分のやり方をすること
パーソナライズされたといえど根底にある共通の考え方としては、Traits(自分の特性だったり、持っているもの)を偽らず、自分のTraitsを自覚し、本来の自分のやり方じゃないやり方も身につけた上で、自分のTraitsを生かす、ということだ。最後の「自分のTraitsを生かす」ということが前述の「日本人であることをAssetとして考える」に繋がる。各学校特色があるといえど、教えていることに大差はないはずなので、IMDでは個人を生かすことにフォーカスがあたると捉えた方が自然かと思う。

 

この「アセット」について、欧州で面接などするときにも、「日本人のあなたをチームに入れることによってどんなベネフィットがあるか」と度々聞かれた。海外転職のコンテクストではネガティブにとらえられがちなこの質問だが、MBA就職活動では、いかに「現地人には出来ないどんなポジティブなインパクト」をマネジメントに与えられるかを答えることになる。色んなアプローチがあるが、ここは、現地人もしくは現地で働いている外国人が日本人に対して抱いているステレオタイプを最大限に利用すると非常に良いアピールとなる。

 

たとえば、
・礼儀正しく、丁寧である
・NOといわない

 

なんていわゆる日本人のTraitsは、INSEADerの記事ではLiabilityと捕らえられているが、何をするにもプッシュバックが多く、ギスギスしがちな欧州、少なくとも僕のいるスイスでは、逆に非常に稀でポジティブなAssetとなる。社内でディプロマティックに動けて、なおかつ、とりあえずYESの返事で、やるやらないにしろ、解決策を探してくれるなんて、そうそういない。また、欧米系の会社のCore Valueなどに「Respect」が含まれることが多いが、面接なんかで、ステレオタイプを生かして、日本人の特性とその会社のバリューを結びつけると、説得力のあるストーリーが出来あがる。

 

僕個人にしていえば、18歳のときにはじめて海外に出て、自分の存在感だったり、立ち振る舞いにも色々悩んだ。アメリカにいたころは顎で挨拶していたこともあったし、長年染みついたお辞儀のくせがなかなか治らなくて「矯正」したこともあった。プレMBAではあったが、まさに記事に書かれている「You are wrong」のセリフにドイツの田舎で頭が真っ白になったこともあった。ただ、「欧米」的なスタイルになんとか自分を合わせようと苦労している自分、そんな苦労している自分に「なんか違うな」と違和感を感じていた数年前の自分をガイドしてくれたのがIMDであった。

そんなこともあり、IMD生活も半分過ぎたころから、けっこう頻繁にお辞儀をするようになった。再就職活動で使うカバーレターのサインも漢字で書くようになった。IMD後社会復帰してそろそろ2年たつが、IMDでのこの気付きは非常に価値あるものであった。

INSEADとIMDどちらを選ぶか」のポストでは「90分の1になるか、900分の1」になるかを決め手のひとつとしていたが、間違ってなかったと思う。IMDのプログラムのフォーカスしかり、またパーソナライズされたスキームもしかり、クラスでケースを通して学んでも、ここにたどり着くにはもう少し時間がかかったように思う。嫌々アナリストに会いに行っていたこともあったが、回りくどいIMDのアプローチ、今思えば無駄でなかった。

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