これまでこのブログでは、敢えて「ヨーロッパの楽しい部分」には触れないようにしてきた部分がありました。僕はよく「え、そこにこだわる?!」って言われるのですが、こだわっても誰も何も得しないし損しないことにこだわる自分が好きだったりするのです。本件については:
- キャリアが繋がってこその海外転職
- ドイツ・スイスが好きだからこっち来たんじゃない
なことを前面に出すことを理由に、エントリーを控えていました。そして、楽しいことを書けば日本的に「角が立つ」世知辛い世の中ですしネ。しかしながら、本当のことを言えば、別に好きで(嫌いじゃないけど)ドイツ・スイスに来たわけじゃないけれど、来たからには地の利を生かして全力でホリデーをエンジョイしてきたこの3年間でした。(全力でと言いつつも、3年のうち2年はGMATとMBA受験に注力していたので、やり残したことはたくさんありましたが・・・)
本題に入る前に、ここに住んで僕の旅行感はだいぶ変わったように思います。アメリカ時代は、貧乏だったのもあり、ナントカパス買ってアムトラックでテキサスからLA経由してシアトルまで5日かけて(しかも寝台車ではなく普通の座席で)とか、治安の悪いグレイハウンドでニューヨークからテキサスまで2日とかよくしました。朝付いて町巡って、夜電車に乗って電車で寝てホテル代節約みたいな苦労旅が好きでした。欧州に来るにあたって、日本に居た頃は週末はバルセロナでパエリアに行くツアーを夢見てたり、北欧も色々巡りたいと思っていましたが、実際のところここで変わった価値観もありました
とにかく南へ
旅行に行くなら、太陽のあるところに行きたい、湿度で髪がもじゃもじゃになり灼熱で肺が焼ける思いがしたい、と思うようになりました。
せっかくの休みなのに、ここより寒い場所に行く理由が見当たりません。そして南にいったほうが安くて美味しいものが食べられることにも気付きました。
そのため、基本南を目指すようになりました。
街は街
いまだにドイツの国内旅行をしたことがない非国民ですが、ヨーロッパってどこにってもヨーロッパですよね?中央駅があってメインの協会がってそこの角にH&Mがあって・・・ドイツ国内なんてどこの町も一緒じゃ・・というトラップに陥りました。そんなわけで旅行するのに街を目指さなくなりました。
逆に大都市と大都市の間にあるところに興味が増しました。
調べずのんびり
こちらに来て、一生懸命旅行することが減りました。最初の方はなんだか罪悪感があったのですが、全部見れなかったらまた来れば良いか程度に構えるようになったので、眠くなったら昼寝して・・と、ぐーたらな旅行をすることが増えました。そして、どこかで読んだ「ガイドブックで調べて旅行をすると、旅行が発見ではなく確認になってしまう」のに同意するようになりました。そのため、目的地に行く途中にたまたま立ち寄った場所の方が強く印象に残っています。
そんな中、僕が行ってよかったヨーロッパ2014です。
#5. Riquewihr, France/仏リクヴィール
行ってよかった、と言うよりお客さんが来ると一緒に行く村です。フランスの最も美しい村(Les Plus Beaux Villages de France)のひとつなので、小さく巡りやすく歴史と雰囲気がある村です。こんな小さな村にわざわざ日本から来ることはないので、レア度もあって喜ばれることが多いです。似たような雰囲気の町で、ハウルの動く城の舞台になったと言われているコルマールは、町も大きく有名ですが、どうせドイツ風の木骨造の建物は一緒だし中途半端に街だし、僕はリクヴィールをおすすめしています。
詳しい説明はここらへんのブログがおすすめ:
Riquewihr(リクヴィール)- フランスで最も美しい村巡り2011 No.44 –
#4. Amman, Jordan/約アンマン
このブログに頻出する僕の同僚がヨルダン人なのですが、ヨルダンなんて今後絶対行かないだろうなぁと思い行ってきました。
スイスからだとチューリッヒから漆黒のロイヤルジョルダニアンが飛んでいますが、僕は行きはトルコ航空でイスタンブール、帰りはオーストリア航空でウィーンを経由して行きました。
トルコ航空だと政治的な理由からかイスラエル上空を跨がずに、エジプトまで行ってからぐるっとまわってアンマンに降りました。面白いですね。
距離のわりに飛行機が常に高いと同僚は不満を行っていますが、実際割高。
小さな国なので、首都アンマン、世界遺産ペトラ、そしてリゾート死海と一週間くらいでも十分回れますが、細かいところが面白いのでもう2週間くらいかけてのんびりじっくり回るのも悪くなぁと思いました。「ヨーロッパもイスタンブールまで行けば異国」なんて言われますが、ヨルダンは本当に異国。ここは本当に行ってよかったです。
(何より、ヨルダン人の同僚の奇怪な行動の謎がいろいろ解明できました)
#3. Portofino, Italy/伊ポルトフィーノ
名前すら聞いたことありませんでした。スイスから車でフィレンツェに行った帰りに、リオマッジョーレで有名なチンクエッテレに寄り、その帰りにたまたまRappaloという町に泊まったのがきっかけでした。まったく目的地じゃなかったですし、スイスに帰るまでの繋ぎで一泊しただけだったので、寝るだけの予定だったのですが・・・。
ホテルに言われるがままにボートに乗り、たどり着いたポルトフィーノ。
平たく言えばただの入江なのですが、このイタリアンな入江は、たぶん一生行かなかっただろうだけに行ってよかったと思っています。
ちなみに、毎年ここでMBAのレガッタ(セイリングレース)が行われているそうです。
来年はぜひIMDとして戻ってきたいです。船なんてやったことないですけど・・・
#2. Lampedusa, Italy/伊ランペデューサ
2位にベタな場所を持ってきますが、CNN Best Beaches in the world 2014で2位になった Isola dei Conigli (ラビットビーチ)の島です。
僕の場合は、ミラノの空港まで車で行ってそのから飛行機でひとっ飛びしました。なんだかんだミラノまで3時間はかかるので出来るなら近場の空港から行きたかったですが、直行便なんてもちろんなかったので、やむを得ず。でも往復200EURなら全然ありでした。
基本ビーチとは無縁なのですが、こんなにきれいな場所があるのかーと感動しました。日本でいうなら沖縄の離島。小さな空港、小さな町、きれいな海、そして海の幸。
気候も良くホテルで借してもらった原チャリで島を回るのんびり旅行でした。小さな町で他に行くところがないといえばそうなんですが、まさかの3日間ともラビットビーチに足を運びました。普段同じ場所には二度はいかないポリシーを掲げているにも関わらず、例外とできるほどのきれいなビーチでした。
#1. 船旅
ヨーロッパのホリデーで得たもので一番大きいのが船旅でした。基本僕は乗り物が大好きなんです。写真のほとんどで自転車に跨っている姿がうつっているのですが、中学・高校時代は飛行機が好きでよく各務ヶ原の飛行場に行きました。大学時代は20万円で買ったボロ車を自分で直しながら乗り、社会人になってから初心に帰りロードレースをしました。で、ヨーロッパに来て出会ったのが船でした。前述のポルトフィーノといい僕の中では船ブームなんです。そして、乗り物好きとしては、大きければ大きいほどトキメキが大きい。大きくて動いているってだけで、ワクワクするんです。今年は9万トンのイタリアの船に乗りました。
いわゆる動くリゾートホテルというか、日本でいう豪華客船なんですが、日本で思われているほど高級な乗り物ではなく、ホリデーチョイスとしては庶民の中でも一般的です。宿泊費・移動・食事・エンターテイメント付きで一泊1万円~とかなら、むしろ超庶民向け。子供はタダみたいなのもありますし。
船旅の良さは、船に乗って荷物を全部たんすにしまって、24時間ご飯食べ放題で、寝てたら次の目的地について、昼間は観光して、夜はショーとか見て、また寝てるうちに船が動いて・・・のレイジーな人向けの究極の旅だと思ってます。また、20ノットの景色の流れっていうのも、普段は経験できない良い時間の流れ方だと思ってます。しかしながら、僕の場合は、とくにかくあの巨大な物体が動くって言うだけで楽しいんです。船旅なんて、フロリダに住むかヨーロッパに住むかしないと経験しなかっただろうなあ、と思うので、船旅が出来る休みが取れるここに来たのはひとつ得たものでした。
来年はまともに旅行には行けそうにないので、今度の旅行はMBA後に・・・。
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