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海外就職が楽なとき

      2014/09/14

僕の同僚のドイツ人の彼女は、いつも物凄く細かいことで気分を害している。

 「ダイレクト」「がさつ」「個人主義」がいわゆる良く言われるドイツ人のステレオタイプではある。仮にそんなドイツ人がいるとして、これに「繊細」「敏感」「平等」が加わった時には救い様が無いと思えてくる。彼女ケースがそうだ。

 嫌な事は凄くはっきり言うし、「時間ある?」と聞くと「ない」と返ってくる。不満があったら机を叩いて何にそんなに怒っているのか詳細に教えてくれる。他のドイツ人同僚に比べると国際経験もあるし丸い方ではあるが、それでもドイツ人だ。ただ、物凄く繊細で、言われた言葉の細かいニュアンスとかに敏感で、それでいて人と平等でいたいと思っているようだ。


突然だが、そんな彼女の「職場での不満」トップ3を紹介したいと思う。


ナンバー3:彼女より遅く出社して、早く退社する特定の人がいること

・我々のオフィスが人の出入りがよく見える絶好のポジションにあるのも問題なのだが、彼女は自分より遅く出社して早く退社する人を全員頭に入れている。


ナンバー2:自分の駐車場が同僚の駐車場より遠い

・オフィスビルから近い順に駐車場①、駐車場②、駐車場③とあるのだが、全て会社指定なのだ。で、駐車場③を指定された彼女は無断で駐車場②を使っているのだが、それでも駐車場①が指定された同僚に負けた気がして悔しいらしい。

ナンバー1: サッカーしないけど、サッカー大会には誘われるべきだ

・ワールドカップブームの最中に会社でサッカー大会があったのだが、部署でチームを出したのに彼女は誘われなかったそうだ。とてもサッカーやるようなタイプには見えなかったので「誘われてたらプレーしたの?」と聞くと「いや、しないけど・・」との回答。だったら良いじゃん!と、思うものの、彼女の気はすまないらしい。


そんな彼女を見ていて、ふと自分のことを顧みる。
そういえば、自分も日本で働いていた頃はそんなことを思っていなかったなぁ、と。
こっちに来てからは、不思議と細かいことでイライラすることが減ったなぁ、と。


日本の「女性の躍進」に限らない広義での「ダイバーシティ」を組織で浸透するためには何が必要か。まず第一に考えるべきと言われているのは、「自分が他人と違うことを認識する」ことである。

他の社員が自分より早く帰ろうが、自分とは違う「彼の働き方」であるし、もしかしたら家で猛烈に仕事しているかもしれないし、他複雑な事情があるのかもしれない。「自分がこうだから」「自分だったらこうする」といった我を抑え、「彼のやり方」は「自分のやり方」とは違うと認識する必要がある。

 理屈の上はそうなのだが、これを実践しようと思うと実に難しく、仏になるか、地道にトレーニングを続ける必要がある。僕も「自分との違い」にイライラしたときは、「ダイバーシティ・・ダイバーシティ・・ダイバーシティ・・」と呪文を唱えるように沸き上がる怒りを治めていたが、こちらに来て不思議と呪文を唱える機会も少なくなった。

 日系企業の駐在や現地就職の人に単純にアプライ出来るかどうかは分からないが、外資の現地企業に日本人ひとりだけ・・みたいな形で働き出すと、「違うこと」を前提として働くことが多いため、どんだけ上司がクレイジーな指示を出して来ても割と冷静に対処できることが多い(日本人の上司から同じクレイジーな指示を出された場合と比較して)。

 いづれ馴染んでしまうのかもしれないが、こちらに来て日本で働いていたときに感じていた理不尽さ、不平等やニュアンス等からくるストレスから解放され楽になった。昔々、僕のメンターの東欧人も、彼が日本で働いていて楽なのは「ダブルブラインド」だからだ、と、言っていた。文化と言語の違いで、いろんなストレスが自分に届くまでにフィルターアウトされるからピースフルに生きられる、と。

 僕の場合(おそらくそのメンターも)は、それらのストレスから解放される代償に、腹を割っても理解しあえないストレス(とワクワク)は感じるようになったし、マイノリティとして働く諸々のストレスは感じている。もっとも、現地人の目線で現地人同じストレスを感じるくらい自分のセンスを研ぎすまさないといけないのかもしれない、と思うときもあるが、今のところはその他のストレスでお腹いっぱいである。

 世界で最もダイバースなMBAプログラムを誇るIMDで、来年どんなダイバーシティマネジメントを学べるのか楽しみである。ポストMBA、今と同じ状況で、どんな違うことを考えるのか、楽しみだ。

 - MBA受験, 海外転職

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