ドイツ人に日本人との接し方を教える?(2)

海外転職
以前のエントリー、色々とご意見いただき、ありがとうございました。
日本からゲストが来るってビビったドイツ人に日本人との接し方をトレーニングしてきました。
日本人が来るのにビビっているドイツ人同僚を見て、以外にそんな繊細さを兼ね備えているのか、と、新たなドイツ人の一面を見ました。まあ、基本的に僕の周りのドイツ人はすげーダイレクトなわりに言葉のニュアンスに凹んでいたり、すごく繊細というか敏感なよくわからない感じの人が多いのですが。

結局、同僚のドイツ人には以下の基本ルール1つと重要ポイント3つ、と、細かいこと(「さん」の使い方、ミーティング前のアイスブレークの時間の長さの違い、ディナーはお皿シェアしたがるかも、など)で説明しました。
 
0. 自文化全快でよいと思う
1. ドイツのLinear Active Cultureと日本のReactive Culture 
2.  Low contextなドイツ文化とHigh contextな日本文化
3. 日本人がずっと目を見て話すことを期待しない
 
0. ドイツ文化全快でよい
 個人的には一番大事なことかなと思いましたが、いかがでしょうか?
日本人がヨーロッパにビジネスしに来て、相手に何を期待するかって、何も期待していないのではないか?と、いうのが最初に思ったことでした。前職で、インドから来た日本に来たインド人を3日連続日本のインド料理屋に連れて行った残念な先輩がいたことを思い出しましたが、ドイツで日本茶出されてもまったく嬉しくないし、せっかくドイツに来たらドイツ流でお願いしたい。また、ヨーロッパ人が出来もしないお辞儀を真似するのもかっこ悪いし、名刺両手で渡されても読めない向きで渡されたら逆に残念な気分になるので、ドイツ人らしく堂々としているのがベストである◎と伝えました。
 日本人だったら、日本的に無礼なことが海外のビジネスシーンで起っても「異文化」として捕らえられるだけの広き心と忍耐力が備わっている国民だと思っています。
(逆に海外にいようが日本人であれば容赦なく厳しいのもまた事実)

 80%のビジネスマナーは共有しているから、いつも通りのドイツ式マナーで良い◎

 中途半端に真似するのは×


ただし!

残りの20%を一応頭の片隅に置いておけば、戸惑うことが少なくなるかもしれない、と、いうことで、飽くまで一般論として言われていることの中で、僕がビジネスの障害になるであろう、と思ったことを3点。
1. ドイツのLinear Active Cultureと日本のReactive Culture 

Source: http://www.crossculture.com/services/negotiating-across-cultures/
 
ルイスモデルと言う名前らしい。世の中の文化を3つの物差しでレーティングしたモデルですが、リニアーアクティブなドイツと、リアクティブな日本。この差は大きく、少しでも念頭においておけば少しはショックを受けることが少ないのでは?と、いうこと。
  • 貫くドイツ人と、人に合わせる日本人
  • 人の話はめったにさえぎらないドイツ人と、まずほとんどさえぎらない日本人。
  • プランに従うことの多いドイツ人と、プランがあっても人や状況に応じて柔軟に対応する(しすぎる)日本人。
  • ついつい感情的になっちゃうことが多いドイツ人と、我慢強い日本人。
などなど、うなづける部分は多い。

 

「日本人はMBAの授業中に発言できない」「日本人は自分の意見を持っていない」と言われることをサポートするモデルではないかと思います。欧米人がそんなことを言うこと自体が傲慢極まりないと思いますが、Linear-Activeな文化に支配されたビジネスの世界では、そう言われるのも仕方ないのかもしれません。いつか世の中のパワーバランスが変わったら「欧米人は授業中に静かにしていられない」と非難できる日がくるでしょうか。
  • 日本人は「自分のしたいこと」をはっきり直接伝えることが相応しくない文化。本音が知りたかったらA,B,Cの選択肢を与えるか、2度3度聞いたほうがいい◎
  • 日本人にとってプランとアジェンダは最後までドラフト。急な変更にも嫌な顔せず柔軟に対応してください、お願いします◎
現職で、ドイツ人(Linear Active)とヨルダン人(Multiactive)と日本人(Reactive)の3人がオフィスをシェアしているのですが、このオフィスがすごくカオスなのはルイスモデルによっても説明できます。

2.  Low contextなドイツ文化とHigh contextな日本文化
 
Source:http://enasshr.blogspot.de/2011/03/saving-face-in-high-context-cultures.html
 
ドイツ人と話していて僕がイライラする理由ナンバーワンでもあります。
話したこと・書いたことが全てであるドイツ人と、2割だけ言って8割を暗黙の了解とする日本人。ドイツ人がドイツ流で説明すれば、必要以上に日本人は理解するけど、ドイツ人に日本流で説明しても半分くらいしか分かってもらえない。
 
以心伝心というやつだと思います。日本人同士であれば2割言えば、残りの8割は分かってもらえることが多いけれど、それは文化背景やその他もろもろが共有されているからであって、外国人と同じようなコミュニケーションしようとすると、痛い目にあうよ、と、いうこ。僕自身もなかなかHigh Contextコミュニケーションから抜け出せないですが、日々カイゼンしないといけません。

逆に、ドイツ人が失敗の言い訳をしだすと長い。とにかく出来なかった理由を丁寧に教えてくれます。誰が休暇だったとか良いから、ごめんなさい一言言ってもらえれば僕は十分です。
  • 日本人は2割しか言わない。分からないことは自分の言葉で聞き返すべし。
  • 言い訳は2割だけ言えば良い。
3. 日本人がずっと目を見て話すことを期待しない
 
Source:http://news.mynavi.jp/news/2013/03/15/218/
 
予想外に反響が多かったポイント。
日本人は目を見て話さない。日本人でも人によっては、目を見て話せと幼少からきつく言われていたとのことだが、僕の場合は、目を見て話せなんて日本人に言われたのは、一度あるかないかだと思います。すみません、そんな環境で育って。
 
しかしながら、昔、日本のバラエティー番組か何かで、初デートのときは向かい合って座るよりは、角で90度になって座った方が、アイコンタクトも距離感も心地よいため成功確率が高いとの特集を見た気がしますが、まさに「日本人目を合わせるのが嫌」論の応用でしょう。
  • 日本人が目を見て話をしない・話を聞かないのは、多くの場合、君の話が面白くないからではない。心配するな
以上、1+3をドイツ人に説明してきました。

細かいこともいくつか説明しました。例えば、「日本人はディナーでいくつかのお皿をみんなでシェアしたがることも多いけど、許してあげてねー」と軽く言ったのですが、ワークショップ後に「日本人は小食なの?」と質問されました。「中華料理のターンテーブルみたいな感じ!」と補足したら、彼女は逆に混乱していました。いかに自分がハイコンテクストなワークショップをしてしまったか思い知りました。

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