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メイドインジャパンとパリ出張

      2014/09/17

日本のテレビを見るためにWavecastを年末年始にかけて導入した。4万円の投資にしては、予想以上の活躍を見せている。当初は、投資金額どうこうではなく、海外にいながら日本のテレビを見ようとするその軟弱な心に喝を入れるべきだと反対していたのだが、いざ導入したら、そんなことを言ってた自分が居たことすらすっかり忘れたいつものパターンだ。日本に居た頃も家にテレビはなかったし、とりあえず帰ったらテレビ付けるみたいな暮らし方は今でも反対している。しかしながら、ドイツに来て1年経ち、これから数年〜かけて海外でキャリアを積んで行こうとする以上、長期戦を覚悟し、ある程度肩の力を抜くべきかなと思うようになった。無用なストレスを与え続けていたら、僕も、主にテレビっ子な嫁もいつかバテるなと思い、ストレスリリーフのために買ってみた次第だ。

僕がレギュラーで予約しているのは、お昼のニュースとサザエさんだ。日曜の夜にサザエさんがあるのとないのとでは、やはり翌週の仕事の成果にも影響があるように思える。どこまでも僕は日本人だなと思う。それに加え、日本のニュースがほぼリアルタイム見られるっていうのは、予想以上のストレスリリーフの効果があった。また、NHKとCNN/BBCの報道内容の比較も興味深い。

そんなWavecastでNHKの60周年記念?のドラマ、「メイドインジャパン」を見ていた。
日本の大手家電メーカーが倒産の危機に陥って、中国へのIP流出で失った大型契約を取り戻すことで主人公率いるチームが会社を救いますよ的なストーリー展開だ。

シャープ債券シングルBヘの格下げ、中国のIP意識、最近の領土問題だったり、トレンディーな内容でとても期待してたのだが、同じNHKのハゲタカのようなシリアスな展開を期待していた分、続編あっても見ないかなーと思う。

チェルノブイリを経験したヨーロッパのメディアが、震災後の日本に対してネガティブ(客観的な?)な報道をし、各国メディアが円安政策に対する懸念を示し、同時にお隣の大国に押され、僕の身近な世界ではジャパンパッシングが加速しているような印象を僕は受けている。
日本のブログやコラムを見ていると、「技術大国の日本は終わった」「裕福な時代は終わり、これから相対的に貧しい日本になる」といったネガティブな記事や、「まだまだ日本の技術は世界で通用する」、「これからまだまだ豊かな国になる」といったがんばろうニッポン的な記事に二極化しているような印象を受けている。

個人的には、楽観的に、日本はきっとこれからも豊かで暮らしやすい国であり続けるけれど、悲観的に、かつてのようなグローバルでのプレゼンスはなくなるだろうと思っている。僕の世代では、日本は技術大国で世界をリードする国だという「勝っている感」とプライドがあるが、液晶テレビでお隣に負けたように、きっとこれから、様々な分野で悔しい思いをしていくのだろうなと思っている。医薬品開発も、日本の得意分野はあるけれど、その得意分野が果たして世界で通用するかは多いに疑問だ。トータルではアジアの中でもプレゼンスは下がっていくだろうと思う。(マーケットとしてはこれから数年はさらに膨れ上がるのかもしれないが。)どちらにしろ、過剰に楽観的な雰囲気は少しでも下方修正していかないといけないのではと思っている。

そのため、メイドインジャパンの、がんばろうニッポン、今までやってきたようにこれからもやればなんとかなります的なエンディングは受け入れがたかった。日本の産業の象徴とも言える大手家電メーカーが軒並み倒産するシナリオがあって、初めて、楽観的な雰囲気と相殺してちょうど良いくらいになるのではと思った。

話は変わるが、先月パリに出張に行く機会があった。医薬品・医療機器系の展示会があったのだが、500社近く出てた中で、日系の企業も数社(3〜5社くらい?)出店していた。日系企業の出店率が良いのか悪いのかは分からないが、少し寂しい印象を受けた。とある日本の大手医療機器メーカー一社は立派なブースを構えていたが、他は欧州の企業に押されていた。

そんな中、偶然ひとつの日系企業のブースに顔を出した。特に面識はなかったし、直接自分に関わりないと最初は思っていたが、いかにも日本から来ました的なブースだったので冷やかしにいったまでだ。この会社、医療機器やその他の製品開発行程で必要となるプロセスを通常3ヶ月(僕の経験では6ヶ月)を1ヶ月程度で行うとのこと。驚きのスピードである。
よくよく話を聞いていると、以前のプロジェクトのミーティングで、スピードにおいてとても信頼出来る日系企業があると共同開発先のフランス人から聞いたことがあった。どうやらこの会社のことだったらしい。
ブースの方も、やっていることはヨーロッパの企業と変わらないとのことだが、効率的なプロジェクトマネジメントと日本人の時間感覚で納期を守っているとのこと。

一昔前の時代に生まれたので、僕の根底には技術大国日本のプライドは標準装備されているが、ここ最近技術も含め政治も含め、日本のやっていることをを無条件で海外に自慢出来るか疑問に思っていた。でも、日本のスピードを世界に輸出し、ヨーロッパでプレゼンスを得ているこの会社のことを聞いて、きっとまだまだ出来ることはあるのだなーと漠然と思った。ホームページも拝見したが、海外進出をビジョンとしても掲げており、とても励まされた。

僕自身、これまで、特にビジョンは掲げない生き方、と、いうか、ビジョンを掲げる前に、年をとる前に、考え方が固まる前に、色々な世界を知る必要があると思い、流動的に考え、暮らして来た。
30歳を目の前にして、少しずつ軸を作って行く必要もあるなと感じた。特に愛国心が強い訳ではなく、今の日本を救いたいんだ!とか言う志もなく、それでも、今まで感じたことを少しずつ軸として固めて方向性を定めて行く必要もあるな、と、思う。その前に、最後の流動性としてMBAはなんとしても実現させたい。

 - MBA受験, 海外転職

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